
ロサンゼルスで開かれたAll-In Summitの壇上で2026年9月14日、NVIDIAのJensen Huang CEOが、先日紹介したDario AmodeiのAI減速論に明確な反対の立場を示しました。登壇中にドナルド・トランプ大統領から電話が入り、Huangはそれをスピーカーに繋いで会場に聞かせています。大統領は減速を求める声について「そんなことはさせない。あれはデマだ」と述べ、その背後には米国の前進を望まない勢力や地政学的な思惑があり得ると示唆しました。Huangは「おっしゃる通りです。そんなことはさせません」と応じ、会場からは拍手が起きています。Amodeiが9月12日のエッセイ「We Must Pace the Frontier」で減速を呼びかけ、OpenAIのSam AltmanとElon Muskがこれに同意した、その直後の出来事です。
わずか二日で、業界の主要人物の立場が「モデルを作る側」と「計算基盤を売る側」で割れた形になりました。ただし注意したいのは、両者が実は別のことを論じている可能性です。Amodeiの主張は「学習や技術的進歩を止める」ことではなく「整合性の確保と安全対策、そして第三者による確認に十分な時間をとる」ことでしたが、Huangと大統領が反応したのは「AIの減速」という一般化された表現に対してでした。技術的な安全性の議論が国家間競争の文脈に置き換わると論点がずれていく——この構図自体が、評価や検証の方法論を研究対象とする立場からは観察に値します。