GPT-6 Astra: 105万トークンの文脈と、27.2万トークンで請求が跳ねる崖

OpenAIが2026年9月3日、GPT-6世代の最初のモデルとしてGPT-6 Astraを公開しました。モデルIDは gpt-6-astra。文脈長は1,050,000トークン、最大出力は128,000トークン、知識のカットオフは2026年4月30日で、GPT-5.6系の2月16日から約10週間前進しています。GPT-5.6世代のLuna・Terra・Solという三層構成は、AstraとAstra Proの二層に整理されました。標準APIの価格は入力100万トークンあたり10ドル、出力50ドル、キャッシュ済み入力1ドル。これはGPT-5.6 Solの販促価格(入力4ドル・出力20ドル)の2.5倍にあたり、2日前に公開されたAnthropicのClaude Fable 5.1と同額です。自律的なコンピュータ操作を測るOSWorld 2.0では、GPT-5.6 Solより高いスコアをより短時間で記録したとされています。

運用上とくに注意したいのが価格表が2つある点です。入力が272,000トークンを超えると、リクエスト全体が入力2倍・出力1.5倍で再計算されます。つまり27.2万トークンを1つでも超えた瞬間、その前の部分も含めて入力20ドル・出力75ドルになる。文脈が105万トークンあっても、実用上の分水嶺は27.2万トークンにあるわけです。もう一点、Astraでは推論の無効化(reasoning effort の none)が廃止され、すべての呼び出しで推論トークンが消費されます。推論トークンはAPIの応答には現れませんが文脈を占有し、出力として課金されるため、128,000トークンの出力枠を思考と回答で分け合う形になります。先週紹介したFrontierHarness Evalが「品質とコストは連動しない」と示したように、こうした課金構造まで含めて実際のタスク単価を測らないと比較の意味がありません。なおAstraはOpenAIのPreparedness Frameworkで「Critical」のサイバー閾値に該当する初の広範配備モデルとされ、公開版は概念実証エクスプロイトなどの高度なサイバータスクを拒否し、緩和された安全策はDaybreakプログラムを通じた審査済み組織にのみ提供されます。ここでも能力に応じた出し分けが踏襲されています。

https://openai.com/index/introducing-gpt-6-astra/

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