Claudeが9ループの散乱振幅を計算 — 物理学者の8ループ記録を、一晩「任せきり」で更新

Anthropicは9月25日、Claudeが平面N=4超対称ヤン=ミルズ理論における6粒子(ヘキサゴン)振幅を9ループまで計算したと発表しました。これまでの記録は2023年にLance DixonとAndy Liuが達成した8ループです。計算にはClaude Science上のFable 5.1を用い、既知の制約で不可能な候補を消していく「ブートストラップ法」で解を導きました。ブートストラップ計算の費用は約100ドル(96CPUで1週間相当)で、別経路のフォームファクター法による検算を含めても1,000〜2,000ドル程度に収まっています。結果はDixon自身が関連するフォームファクターを確認して独立に検証しました。

研究者の指示は「数時間寝るので、止めるまで作業を続けて」という程度で、長時間の自律実行が成果に直結しています。一方でDixonが指摘するように、Claudeは新しい手法を編み出したのではなく、既存論文の手法を大規模に適用して記録を伸ばしたものです。先週紹介した酵素系ARTの発見が「探索で仮説を見つける」事例だったのに対し、今回は「確立した方法を人間より遠くまで押し進める」事例といえます。発見と計算の両方でAIが研究の一線に加わり始めており、検証の仕組みをどう組み込むかが知識生成の鍵になりそうです。

https://www.anthropic.com/research/yes-claude-can-do-nine-loops

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