Apodex 1.1: 「作業能力」を鍛える二つのスケーリング軸と、35Bのローカル版

2026年8月24日にarXivへ投稿された論文「Apodex 1.1: Scaling Agentic Intelligence for Complex Work」(arXiv:2608.23283)が、Hugging Face Papersで同日の最上位トレンドとなりました。著者は70名規模のチームです。論文が掲げる概念は「working capability(作業能力)」——実世界の目標に向けて持続的かつ検証可能に前進する能力で、推論や知識の統合だけでなく、ファイルや情報源、実行可能なコードとの継続的なやりとり、状態の維持、失敗からの復帰、成果物の検証可能な提出までを含みます。これを二つの軸で伸ばすのが提案の骨子です。Environment Scalingは実行可能なファイル・検索・コード環境の多様性と検証可能性を広げ、Agentic Coordination Scalingは長期タスクの分解、並列作業の委譲、非同期な結果の統合、再計画を学習させます。共有の実行ハーネスと「AgentOS」がツールやエージェントをまたいでタスクの状態と来歴(provenance)を保持します。

注目すべきは、来歴の保持を設計に組み込んでいる点でしょう。金曜に紹介したAWS DevOps Agentでも監査証跡が要点でしたが、長時間動くエージェントでは「何をどの順で行い、どの結果に基づいて次を決めたか」を追えることが、成果の信頼性そのものを左右します。もう一点は規模です。フロンティア級より大幅に小さいモデルで上位の性能帯に達したとされ、35BのApodex 1.1 Miniはローカル配備可能な形で作業能力を保つとされています。当部門が繰り返し取り上げてきた「小さいモデルの実用性」という論点に、また一つ事例が加わった形です。ただし本論文は査読前のプレプリントであり、性能の比較条件や第三者による再現はこれからの課題です。

https://arxiv.org/abs/2608.23283

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